こんにちは!
21卒内定者の小島幹英(こじまみきひで)です!
あなたは大人気ガールズグループNiziUのマーケティング戦略をご存知ですか?
この記事は
「大人気NiziUもマーケティング戦略が関わっているの?」
「凄腕J.Y.parkのマーケティング戦略を覗き見てみたい!」
とお思いの方に向けて記事を書いています。
この記事を最後まで読めば、ここ1年でNiziUが大人気ガールズグループとなったワケを知ることができ、マーケティングの奥深さに気づいてしまうかもしれません!
縄跳びダンスを家でコッソリ練習したこともある小島が、あなたにわかりやすいようにNiziUのマーケティング戦略を紐解いていきます!
NiziUとは
「いや、そんなん知っとるわい!」という方は、次の章まですっ飛ばしていただいて構いません。
「ここだけの話、聞いたことはあるけど正直知ったかぶりして友達と話してた。」なんて方のために簡単にNiziUの説明をいたします。
NiziUとは、オーディション企画「Nizi Project(通称虹プロ)」でデビューが決定した9名から構成されたガールズグループです。
オーディション模様は、HuluやYouTubeのみならず、日本テレビの番組「スッキリ」の特集でも伝えられ「NiziU」はお茶の間へ浸透していきました。(私が初めてNiziUを知ったのはリビングで涙する母と妹がきっかけでした笑)
今回は、そんなNiziUが大人気ガールズグループとなったワケに迫っていきます。
ちなみに、呼び方は「ニジユー」ではなく「ニジュー」だそうなので、お気をつけあれ…(今の今まで「ニジユー」と連呼していた方は私のお仲間に認定します)
NiziUの強み
まずはNiziUの強みについて解説していきます。
日韓合同プロジェクト
1つ目の強みに日韓合同プロジェクトであることが挙げられます。
K‐POPグループの開発は、オーディション番組が主流です。
そんなオーディション番組の仕組みが出来上がっているJYPエンターテインメントと日本のソニーミュージックの合同プロジェクトで生まれたグループです。
比較的長期間のオーディション番組を通して、視聴者の熱量を高めていくことで、デビューに向けて取り組む候補生を「応援するファン」に育てていくのです。
こうした古参ファン(古くからのファン)を育てることは、グループデビューが決定した際の話題作りに大きな影響力持ちます。
SNSの投稿や口コミから認知度をアップ、そしてYouTubeの再生回数増加、twitterトレンドワードの上位獲得など、視聴者をブーム作る側に巻き込んでいくことがこの手法の本来の狙いです。
こうして話題となりメディアに注目されることで、デビュー決定時に一気に新規のファンも獲得することができます。
そんなオーディション番組の仕組みが出来上がっているJYPエンターテインメントと日本のソニーミュージックの日韓合同プロジェクトであることが1つ目の強みです。
完成されたアイドル(歌、ダンス、人柄の質にこだわる)
日本にはアイドルに「不完全さ」を求める傾向があります。
「この人はアイドルなのに歌唱力がイマイチだなあ」と思ったことがある人は多くいると思います。
一見マイナスに見える面も、ファンにとっては応援したくなるたまらない要因の1つなのです。
アイドルは、「応援すべき存在」なのです。
そのため日本では、未完成で、未熟でありながら、一生懸命歌う成長途中のアイドルが好まれるのです。
しかし、この日韓合同プロジェクトは、世界で勝負するために「歌、ダンス、人柄の質にこだわる」という発想のもとプロジェクトが進められました。
こうした完成されたアイドルグループを作るということは、「不完全さ」を求める傾向がある日本のアイドル業界では差別化がされています。
歌、ダンス、人柄の質にこだわったことは2つ目の強みに挙げられます。
見逃し視聴可能なメディア戦略
Nizi Projectは、①Hulu、②地上波テレビ、③YouTubeという3つのメディアでオーディション模様が伝えられています。
従来までは、地上波テレビで放映した後、見逃し視聴としてのネット配信が主流でした。
しかし、Nizi Projectは①有料会員制配信メディア、②無料オープン放送メディアの地上波テレビ、③無料オープン放送配信メディアのYouTubeという3つのメディアを組み合わせ、見逃し視聴を可能にしました。
このメディアの使い方は、古参ファンの定着、新規ファンの獲得に非常に強力な武器となり、NiziUの3つ目の強みと言えるでしょう。
ビジネスマンから注目されるJ.Y.Parkの「愛のある指導法」
NiziUの人気を加速させた要因に、プロデューサーのJ.Y.Parkの存在が大きく影響しています。
J.Y.Parkは日本でも大人気の「TWICE」や「2PM」も手がけた世界的プロデューサーです。
そんな凄腕プロデューサーといえば、威厳のある恐そうなイメージがあるかもしれません。
しかし、J.Y.Parkはそんなイメージを払拭するくらいの満面の笑みで、候補生を褒めちぎります。
ダメ出しをする場面でも、悪いところは指摘したうえで、今後のモチベーションが向上するようなフォローをする。
そんな愛のあるJ.Y.Parkの「愛のある指導法」が上司であるビジネスマンの鏡として注目さるようになり、NiziUの人気を後押ししたと言えます。
日本のアイドル業界
ここからは現在の日本のアイドル業界についてお話ししていきます。
48グループ、坂道シリーズの人気
まず、日本のアイドル業界といえば切っても切り離せない存在が、48グループ、坂道シリーズです。
日本のアイドル業界を熟知した秋元康が「不完全さ」を重視し、手がけたこれらのグループは応援したくなる存在であるといえます。
CDを買った枚数だけメンバーと直接コミュニケーションがとれる握手会の導入や、メンバーの人気順位が発表される総選挙など、ファンの推しに尽くす気持ちを煽ることで、世間を賑わせました。
似たようなグループが次々と登場していることからも日本のアイドル業界が「不完全さ」を重視する傾向にあることの裏付けと言えるでしょう。
K‐POPアイドルの台頭
韓国のタレントは幼い頃から訓練を受け、下積みを経験していることも多く、パーフォーマンスのレベルが極めて高いのが特徴です。
2000年中ごろから「少女時代」や「KARA」などのK‐POPガールズグループが台頭してきました。
当時、ハイヒールで完成度の高い踊りを見せる少女時代よりも、スニーカーでかわいく踊るKARAの方が人気であった点からも、当時から「一生懸命さ」や「応援したくなる」という点が重視されていたといえます。(当時の小学生の私はKARAのミスターのダンスをコッソリ練習していました)
2012年、竹島の領土問題で嫌韓ムードがありましたが、2015年になると「TWICE」という韓国人5人、日本人3人、台湾人1人の9人で構成されていたガールズグループが登場しK‐POPブームが再燃しました。
少女時代のような完成度の高いパフォーマンスでありながら多国籍からなるグループという新しい仕掛けでした。
最初は自国のメンバー、そして徐々に他の国籍のメンバーにも関心が向くような工夫があるとされ、「K-POPアイドルの入口」としても機能していたと言えます。
NiziUのポジショニング
ここからはNiziUが人気になった理由をマーケティング用語「ポジショニング」を用いて説明していきます。
ポジショニングとは
ポジショニングとは「数ある競合の中から自社を優先的に選んでもらうことを目的に、独自の魅力を市場の中で一番アピールしやすい位置取りをすること」を意味する言葉で、マーケティング戦略の1つです。
つまり今回は「沢山のガールズグループがいる中で、どのようにしてNiziUの魅力が一番アピールしやすい位置取りを確立したか」に迫ります。
不完全志向の日本発の完成されたKPOPアイドル
ここまで、NiziUの強み、日本のアイドル業界についてお話ししてきたので察しの良い方はNiziU独自のポジショニングにお気づきかもしれません。
NiziUは「不完全さ」を求める日本のアイドル業界において、世界で勝負するために「完成されたアイドル」を目指しました。
そうすることによって、多くのガールズグループがいる日本のアイドル業界において、独自のポジショニングを確立することに成功したのです。
下の図はポジショニングマップといい、日本で人気のガールズグループのポジショニングを表したものです。
縦軸をメンバー数、横軸を目指す市場とすることで、NiziUが独自のポジショニングをとっていることを理解していただけたかと思います。
しかし、ここであなたは
「ほんとに差別化だけでこんなに人気になったの?」と薄々感じているかもしれません。
今からその違和感を解消していきます!
いったいなぜ、NiziUは世界で勝負するグループを目指しているのに「不完全さ」を重視する日本のアイドル業界で、こんなにも人々に受け入れられるようになったのでしょうか。
プロダクトアウトとマーケットイン
この違和感を解消するためには、プロダクトアウトとマーケットインという用語を知る必要があります。
プロダクトアウトとは
プロダクトアウトとは、売り手の「こうしたい」「これを売りたい」という想いで、販売されている商品のことを表す言葉です。
売れない商品やサービスのほどんどは、プロダクトアウトであることが多く、売り手がお客様に商品を一方的に押しつけてしまっています。
マーケットインとは
マーケットインとは、お客様の「解決したい」「こうなりたい」など求めることを調査し、お客様の立場になって作られた商品やサービスのことです。
売れる商品やサービスのほとんどは、マーケットインであることが多く、お客様の願望や欲求を解消するために作られています。
ターゲット本人が自覚している欲求・悩み(顕在意識)にアプローチすることが重要です。
NiziUはプロダクトアウト?
では、NiziUはプロダクトアウトとマーケットインのどちらに当てはまるでしょうか。
そうなんです。
実は、プロダクトアウトなのです。
「ゴリ押し」という批判
思い返してみてください。
NiziUはどのように始まったプロジェクトだったでしょうか。
NiziUは世界で勝負するために「歌、ダンス、人柄の質にこだわる」という発想のもと始まった日韓合同プロジェクトです。
NiziUは売り手の「世界で勝負したい」という強い願望が読み取れます。
そのため、プロダクトアウトの要素が強いばかりに、プロデューサーのJ.Y.parkの通称をいじるように「ゴリ押し」と批判されることもありました。
にもかかわらず、なぜ、NiziUは売れたのでしょうか。
プロダクトアウトをマーケットインに見せていく
それはマーケットインにみせることができたためです。
プロダクトアウトの商品も、いかにマーケットインにみせていくかを工夫することで、お客様から必要とされる商品・サービスに変わっていきます。
今回はオーディション番組であることが、マーケットインにみせることに大きな役割を果たしています。
歌、ダンス、人柄の質を重視するために、長期間行われたオーディションで「頑張る姿」「成長する姿」を配信することで、デビューに向けて頑張るアイドル候補生」を「応援したくなる存在」と認識させて、多くの視聴者をファン化することに成功しました。
グループの構想を練っていた当初は、不完全なアイドルがウケる日本で、ゴリ押しの完璧なアイドルとして売り出そうとしました。
しかし、完全に完璧なアイドルではなく、まだ10代の少女であるという不完全さもちらつかせる売り手のテクニックが功を奏したと言えます。
NiziUのように、プロダクトアウトの商品もマーケットインに見せる工夫をすることで、お客様に必要とされる商品となっていくのです。
これがNiziUから読み解くオーディション番組のマーケティング戦略です。
NiziUから読み解くマーケティング戦略まとめ
NiziUはポジショニングによる差別化だけでなく、オーディション番組で「応援すべき存在」と認知されることで、大人気ガールズグループとなりました。
この記事を読んで、
「マーケティングっておもしろい!」
と思っていいただけたら嬉しい限りです!
今回のお話しはマーケティング戦略のごく一部にしかすぎません。
この人事ブログには、クセの強い21卒の内定者が書いた楽しく学べる記事が盛りだくさんです!
「もっともっとマーケティングについて知りたい」
という方は是非他の記事もみてみてください!(よければ私の記事も…!)

最後までお読みいただきありがとうございました。