こんにちは!
あなたは「優秀だろう!」と思って採用した人物が入社後あまり活躍しなかったという経験はありますか?
面接では短い時間でその人の能力や特性を見抜かなければなりません。
あなたの会社に居る「もう一人この人がいればなぁ・・・」と思える優秀な人物。その特性に合致する人材を面接で見抜き採用できたら・・・人事としては願ってもない展開ですよね。
「もう一人この人がいればなぁ・・・」と思い浮かべた人がどんな行動をしているかよく観察したことはあるでしょうか?仕事で優秀な成果をあげる社員には共通している行動特性があります。例えば、成功している企業の社長はジムで身体を鍛えている、とよく聞きませんか?それと同じようなイメージです。
仕事が出来る人に共通している行動特性のことを「コンピテンシー」、企業が求める特性を持っているか見抜く面接を「コンピテンシー面接」と言います。
コンピテンシーは、優秀で即戦力になる可能性が高い人材を、最初から見極めるひとつの基準になります。
この記事では、コンピテンシー面接をどのように行えばよいのかご紹介します!
見込み違いを防ぎ、求職者の能力を正しく平等に見抜けるようになりますよ!
コンピテンシー面接とは?
コンピテンシー面接は、主に社内で活躍している人の「共通の行動特性」を基準にします。
なぜそのような行動をとったのかということを当時の背景や状況を掘り下げながら質問するという方法です。
コンピテンシー面接の具体的なやり方
手順
①自社の基準を決める
②評価軸となるレベルを決める
③面接時のテーマを決める
①自社の基準を決める
社内で成果を出している人、そうでない人の行動特性を挙げていきます。
例えば
- 余裕を持ってタイムスケジュールを立てている
- 将来展望が明確で具体的である
などです。
これは現場にヒアリングして決めるのが最も効果的でしょう。
②評価軸となるレベルを決める
行動のレベルは、一般的には以下の5段階で分けられます。
レベル1 受動行動
人から指示されるのを待って、言われたことをその通りに実行した。または、自分がやらなくてはならない状況に追い込まれたから仕方なくやった。
レベル2 通常行動
「この状況なら誰でもそうするだろう」という行動をやるべき時に行えるレベル。必要最低限の行動を過不足なく行えるが、独自の意図は見られない、普通レベルの行動。
レベル3 能動・主体的行動
ある状況において、複数の策の中から自分の意思で最善策を選び、実行できるレベル。決められたルールの中でよりよい成果を出すために何をすればいいのかを考えて選び、実行できる。
レベル4 創造、課題解決行動
状況に即した判断から一段上がり、独創的なアイデアを出し、状況を改善していけるレベル。
レベル5 パラダイム転換行動
斬新な視点で既成概念を覆すアイデアを出せて、より望ましい新たな状況を作り出していけるレベル。ゼロから価値を生み出すことを期待できる。
出典元『コンピテンシー面接マニュアル 川上真史、 齋藤亮三』
自社で求められるのは、どのレベルなのか決めておきましょう。
③面接時のテーマを決める
新卒であれば、学生の時に力を入れていたことが最も掘り下げやすい質問の一つですが、中途の場合は職種、募集している役割などで変わってきます。
①の基準と同様、現場とのすり合わせが大切です。
質問の際に使える、STARの法則
具体的にどのように進めていいか迷ったら「STARの法則」を参考にしてみてください。
STARの法則とは
- Situation(状況)
- Task(担当/仕事内容)
- Action(行動)
- Result(成果)
です。
プロジェクトのメンバーは5人だったのか、30人だったのか。期間は1ヵ月だったのか、1年だったのか。チームの一員だったのかマネジメントをする立場だったのか。業務、課題に対してどのような行動を用いたのか、そう行動したのは、どんな考えがあったからか。どんな成果を得られて結果に対してどのように考えているのか。
このように段階を経て質問することで求職者の価値観、能力、習慣などを引き出すことが出来ます。
ちなみに、求職者の価値観、能力、習慣などを引き出すため、コンピテンシー面接はオンラインより対面の方が効果的に活用することができます。画面上で顔しか見られないオンラインよりも対面の方がはるかに情報量が多いからです。
また、じっくりと対面で求職者の情報を引き出すことに向いているので足切りとして使うよりも、フローの後半でより優秀な人材を見抜くために使うのがオススメです。
コンピテンシー面接のメリット
コンピテンシー面接を行うメリットは大きく3つあります。
再現性が高い
学生を印象で判断することなく決断出来ます。
本質や本音を見極めやすい
深掘りすることで、その場しのぎの回答が出来ないため、求職者の本質、本音を引き出しやすくなります。
今の社員のマネジメントにも活用できる
コンピテンシーに基づいてマネジメントすると成功している人たちの行動基準に合わせた行動になります。後天的な効果も期待できますので社員の水準を上げることに繋がりますよ。
コンピテンシー面接の注意点
反対にコンピテンシー面接をする際に注意しなければならないのは、圧迫面接に間違われないようにすることです。
深掘りをしていく面接方法で求職者は矛盾のない、ロジカルな回答が求められます。普通の面接よりは負荷がかかるため圧迫面接と混同されやすいです。厳しく追及するような態度は控えましょう。
まとめ
いかがでしたか?
コンピテンシー面接は行動特性や基準を作り上げるのは大変ですが、一度作ってしまえば誰でもいつでも同じ水準で面接出来るとても透明性の高い方法です。
「優秀だろう!」と思って採用した人物が入社後あまり活躍しなかった。そんな事態を恐れることはもうありません!さらに、今いる社員のマネジメントにも使うことが出来る優れモノです。
是非実践してみてください!