「尊敬する人物は誰ですか?」
「結婚後も働き続けてくれますか?」
「今お住いのところが本籍地ですか?」
実は、3つすべてが面接で聞いてはいけないNGな質問です。
あなたが面接官なら絶対に答えられなければならないものです。
面接の際に聞いてしまいそうな質問ですが、知らなかったでは済まないこともあります。
今回の記事では、面接の際に聞いてはいけない質問についてとその対策方法などに関してお伝えしていきます。
先ほどの問題に正解した人もそうでない人も、ほかにも面接で聞いてはいけないNGな質問項目がありますので、今回の記事を参考に、正しく面接を行えるようにしましょう。
質問内容によっては法律違反につながることもある
面接には、職業安定法で定められた聞いてはいけない事項があります。そのため安易な気持ちで質問した内容が、あとから法律問題に発展する可能性も考えられます。
厚生労働省のページには、「採用選考の基本的な考え方」というものがあり、
- 応募者の基本的人権を尊重すること
- 応募者の適正・能力のみを基準として行うこと
と記されています。
そして以下2つの事項を応募用紙に書かせたり、質問してはいけません。
- 本人に責任のない事項
- 本来自由であるべき事項
具体的な内容に関しては次の項目で解説しています。
また採用選考の方法として、
- 身元調査などの実施
- 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
というものもおこなってはいけません。面接をおこなう際は、以上のことを理解していなくてはなりません。
面接で聞いてはいけないNG質問事項と具体例
では次に、「何を聞いてはいけないのか」という詳しい質問事項と具体例をご紹介します。
本籍を問う質問
本籍に関しては、特に意図せずうっかり聞いてしまう可能性がありそうですが、選考には関係のない要素なのでNG質問です。
生まれる場所は本人には選択できないものですので、「本人に責任のない事項」にあたります。
- あなたの本籍はどちらですか。
- 今お住いのところが本籍地ですか。
- ご両親の出身地・実家はどちらですか。
家族構成や家族の職業を問う質問
家族構成や家族の職業に関しても、選考に必要のない内容になりますのでNG質問です。
- 父親(母親の場合も)がいない理由を聞かせてください。
- あなたの両親の職業はなんですか。
- 共働きですか。
- 世帯年収はおいくらですか。
- 家庭はどのような雰囲気ですか。
住まいや周辺環境を問う質問
住まいや周辺環境というのは、「どんな環境に住んでいるのか」「あなたの家はこの地図のどこですか」ということについてで、これらに関してもNG質問です。
また、自宅周辺の地図を描かせる行為についてもアウトです。
- あなたは〇〇(駅や国道など)のどちら側にありますか。
- あなたの家の周りはどのような環境ですか。
- あなたの自宅周辺の簡単な地図を描いていただけますか。
資産を問う質問
資産を問う質問も「本人に責任のない事項」ですのでNG質問です。
- 自宅は一戸建てですか。
- あなたの家に不動産はありますか。
- 自宅に自家用車は何台お持ちですか。
思想・宗教・尊敬人物を問う質問
思想・宗教・尊敬人物などについては、個人の自由権にあたる事項になるので、基本的人権の侵害、本来自由であるべき事項に該当しますのでNG質問です。
- 尊敬する人物は誰ですか。
- 支持政党はどちらですか。
- 愛読書を教えてください。
- 宗教に加入していますか。
- 大学以外で加入している団体はありますか。
結婚予定、出産後の勤務継続を問う質問
女性に対して結婚予定や出産後も継続して勤務を続けるかを問う質問は、男女雇用機会均等法に反するものなのでNG質問です。
- 何歳まで働く予定ですか。
- 結婚する予定はありますか。
- 結婚・出産後も働き続けてくれますか。
- 今、お付き合いしている方はいますか。
面接でNG質問を防ぐための対策
「知らなかった」では済まされない面接でのNG質問を防ぐためにどんな対策をすればよいのかご紹介します。
面接官の教育・研修をしっかりおこなう
1つ目は、面接官の教育・研修をしっかりおこなうということです。
面接(採用業務)は、会社の今後を左右する重要な業務です。そのため、面接官は誰でも良いわけではありませんし、人と話すのが上手いから向いているわけでもありません。
面接では、「優秀な人材を見極めるためにどんな本音を引き出せばいいのか」「面接官のマナーとはなんなのか」などといったことを理解していなければなりません。
そういった面接に関する知識や理解が浅い人物を面接官に抜擢してしまうと、今回のようなNG質問をしてしまうことにもつながります。
また、面接官が慣れていない場合は、予行練習をおこないましょう。
事前に理解していても、実際に面接をすると緊張してしまい、思った質問ができないこともあります。
面接の質が向上すれば優秀な人材を判断しやすくなりますので、面接官の教育・研修はしっかりおこなうようにしましょう。
事前に質問事項を用意する
面接に不慣れな方や、急遽面接を担当する方が変わったとしても問題ないように、面接の質問事項をまとめておくと良いでしょう。
思い付きで質問を考えて不要な質問をしてしまったり、会話の延長で聞いてはいけない質問をしてしまうことも考えられます。
こういったことを防ぐためにも質問事項の用意は有効的です。
面接でNG質問をしてしまったら?
今回紹介したようなNG質問を把握したとしても、面接の際はうっかり質問をしてしまうこともあるでしょう。
そんな聞いてはいけない質問をした時は、「いまの質問は不適切な質問でした。申し訳ございません。答えていただかなくて構いません。」といったように、訂正とお詫びをしましょう。
もしそれが新卒選考だったとしても「学生だから知らないだろう」という考え方はおすすめできません。
面接をした学生が、帰宅後に「面接で何を聞かれたか」という話を両親にした場合、そこで両親が気づいてしまうことも考えられます。
面接でNGな質問を防ぐために意図をもって質問をしよう(まとめ)
以上が今回お伝えしたかった「面接の際に聞いてはいけない質問についてとその対策方法」についてです。
面接で質問をする際は、なぜその質問をする必要があるのかという「質問の意図」を考えると良いかもしれません。
質問をする理由がないのに質問をしていては、得た回答からその人が優秀かどうか判断できません。
効率的な面接、ミスのない面接をするためにも、聞いてはいけないNGな質問は事前に把握し、質問をする際は意図をもって質問するように心がけましょう。