採用の教科書

面接は見極めるだけじゃない!内定承諾率を上げる魅力付け方法と質問例

面接は見極めるだけじゃない!内定承諾率を上げる魅力付け方法と質問例
  • 「内定を出したのに結局辞退されてしまう」
  • 「内定承諾率を上げる方法が知りたい」
  • 「面接で魅力付けする方法が知りたい」

という悩みを持つ採用、面接担当者のために記事を書いています。

見極めは上手くできていて、求職者の能力を判断することに長けているが、魅力付けが上手くできていないために内定を辞退されてしまうケースは少なくありません。

今回の記事では、そもそも面接官には見極めに加えて魅力付けをおこなう必要があるということや、その方法をまとめて解説します。

これを読めば、魅力付けをおこなう面接の方法が分かり、そのような面接を実施することで内定辞退率を下げることができるようになるかもしれません。

そもそも面接官の役割とは?

冊子を読む男性

あなたは面接担当者の役割を考えたことはありますでしょうか。そこを理解していない方のために根本から説明していきます。

面接官の役割は「見極め」と「魅力付け」

結論から言いますと、面接官の役割は

  1. 見極め
  2. 魅力付け

の2つで、面接の際はこれを2つともおこなう必要があります。

「内定を辞退されてしまう」という方は、見極めは上手くできていても、もしかするとこの「魅力付け」が足りていないのかもしれません。

採用活動では「選び選ばれる関係」という意識を持つことが大切です。こちらだけが選んでいるのではなく、求職者側もあなたの会社を選んでいるのです。

見極めというのは、「選び選ばれる関係」の「選び」にあたり、求職者の本音、ポテンシャル、スキル、経験、志望動機、性格などなど様々な要素を聞き出し、聞き出した要素を事前に決めたおいた自社の採用基準と照らし合わせて合否を決定するものです。

一方で魅力付けとは、「選び選ばれる関係」の「選ばれる」にあたり、求職者から自社が選ばれるような立場になることを指します。「この会社に入社したい、ここで働きたい」という思いになってもらい、入社する理由を持ってもらうのがこの魅力付けの役割になります。

内定承諾率を上げるには面接での魅力付けが必要

つまり、いくら優秀な人材を見極めることが出来たとしても、求職者側に入社したいと思わせるような魅力付けが出来ていなければ、内定を出したところで辞退されてしまうのです。

こちらが求職者に対して入社して欲しい理由があったとしても、求職者に入社したい気持ちがなければ辞退して当然です。

面接に来る方はあなたの会社だけ受けているのではありません。そのため、「面接に来る=内定を出せば入社する」という考え方は今日から捨てましょう。

面接で魅力付けできたらどうなるのか

面接で魅力付けができた場合、以下のような状態になります。

  • 入社意欲が上がる
  • 周りに話したくなる(口コミ)
  • もし入社しなくても良い関係でいたいと思える

まず、当然ですが魅力付けができれば求職者はその企業に対して好印象を持つので、入社したいと思います。

次に、良い会社や良かった面接は口コミで広がります。

学生は特に、「昨日の面接こうだった」と友人や就活仲間に報告しますし、中途の方でも口コミサイトに面接の状況を投稿したりします。

もし魅力付けができれば、求職者が入社したいと思うだけではなく、会社の良い評判が勝手に広まるというお得なメリットが付いてきます。

最後は、「もし入社しなくても良い関係でいたいと思える」というものですが、これは仮にその人が選考に落ちたり辞退してしまった場合でも、その後に良い影響をもたらす可能性が生まれるということです。

求職者は同じ業界や業種を受けることが多いので、選考に落ちた方があとから取引相手になることもあります。

もしかすると、入社しなかった方が他社に入社してから、「良い会社だったから」と良い条件の取引を持ち掛けてきてくれるかもしれません。

面接で魅力付けをする方法

話す女性

では、ここからは面接で魅力付けをおこなう方法を解説していきます。

求職者の選社基準を把握

まずは、求職者の選社基準(会社選びの基準)を把握する必要があります。

求職者がどんな基準、価値観で会社を選んでいるかを把握できなければ、自社のどんな魅力を伝えればよいかが分からないので、これが一番重要な工程です。

求職者の選社基準と異なるものを魅力としてアピールしたところで、相手には全く刺さりません。

上手い聞き方が思いつかない場合は「会社選びにおいて何を重要視していますか」とそのまま聞いても良いでしょう。

求職者の優先度が高い選社基準に対する魅力を伝える

次に、聞き出した求職者の選社基準の中で、優先度が高いものに対応する自社の魅力を伝えます。ここで重要なのは優先度が高いものに対してというところです。

例えば、求職者の選社基準が3つあったとします。その際に3番目の基準ではなく1番目の基準に対して、「うちにもその魅力あるよ」ということを伝えた方が、他社と比較された場合でも選ばれる可能性が高くなるということです。

求職者に「A社には2と3番目の魅力があるけど、B社(あなたの会社)には1番目の絶対譲れない魅力があるからな」と思ってもらえれば、魅力の数ではなく質で勝つことが出来ます。

では求職者の選社基準の優先順位を確かめる方法ですが、すべてを把握しようとすると不自然な面接にもなりかねません。

そのため、色々な角度から質問をして、「この基準は一番高そうだな」「この基準はあまり重要視してないな」というように見ていきましょう。

自社の魅力を選社基準にしてもらう語り掛け

しかし、求職者の優先順位が高い選社基準に必ずしも自社の魅力が対応しているとは限りませんよね。そんな時は、自社の魅力がなぜ優れているか、なぜそれを選社基準にするべきかをそれとなく語ります。

例えば、選社基準として高い年収を重視しているが、自社の独立できるほど成長できる環境にも関心を持ってくれている場合、

「あなたのポテンシャルを考えたら、今見える年収を見るよりも、将来的な年収の天井を上げることが出来る経験やスキルを得る方がいいかもしれませんね」

と語り掛けることで、相手を否定することなく自社の魅力付けをすることが出来ます。

相手の意思を変えることは難しいですし、魅力でウソをつくことはいけませんが、この方法で求職者の選社基準が変われば儲けものです。

面接官に良い印象を持ってもらう

上記での魅力付けに加えて、重要なのはやはり面接官自体に良い印象を持ってもらうことでしょう。

面接官は「会社の顔」です。どんなに良い会社でも、求職者が初めて会った面接官の態度が残念なものであれば印象は悪くなります。

求職者にこびる必要はありませんが、「スーツを指定しているならこちらもきっちりとした恰好で面接をする」「上からの態度にならないようにする」など最低限のマナーは意識しましょう。

答えてもらうことで魅力付けする質問例

上記で紹介した魅力付けの方法とは別に、質問に答えてもらうことでおこなう魅力付けの方法もあります。

質問に答えてもらうことでおこなう魅力付けの際は、自社のことを質問して求職者に語ってもらい、魅力を再確認、発見、納得してもらいます。また、求職者の懸念点に関してすり合わせをすると、「懸念点も見たうえで採用を考えている」ということも伝えることができ、良い印象につながります。

質問例は以下のようになっています。

  • 「当社が業界ナンバーワンを維持している秘訣は何があると考えられますか」
  • 「当社の採用サイトや求人広告で、事業内容についてさらにアピールするべき部分はありますか」
  • 「○○(希望職種)について、聞いておきたいことや確認しておきたいことはありますか」
  • 「○○さんのこういった部分に関しては、当社での活躍の妨げになる可能性も考えられます。その点については今後どのようにしていこうと考えていますか」

質問例はあくまで例なので、自社の魅力に関係ある質問を考えましょう。

面接では魅力付けをして内定承諾率をあげる(まとめ)

今回は、面接で魅力づけをして内定承諾率を上げる方法をお伝えしてきました。

面接で魅力付けする際は、

  • 相手の選社基準の優先度が高いものに対応する自社の魅力をアピールする
  • 対応していない場合は、相手を否定しない角度から魅力付けをする
  • 面接官に良い印象を持ってもらう
  • 答えてもらうことで魅力に気づいてもらう質問をする

というような方法があります。

繰り返しにはなりますが、面接は「選び選ばれる関係」です。そのことを忘れずに、魅力付けを意識して今後の採用面接に取り組んでいただければと思います。

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