あなたは学生を選考する際に、どのようなスタンスで選考に挑んでいますか?
もしかして、ただ学生を見極めていませんか?
もしそうなのであれば、今回ご紹介する内容を参考にして選考を見直してみることをおすすめします。
今回の記事テーマは、競争力が高く本当に採用が上手い企業が持っている「採用スタンス」についてです。
選考では学生を育てる
採用活動は、学生を採用することが目標で、その学生が実際に働いて自社に貢献してもらうことが目的ですよね。
その場合、優秀な学生を獲得したいと考えるのはごく自然な流れであり、選考に来た学生の中から出来るだけ優秀な人材を確保したいと思うでしょう。しかし、本当にそれだけでいいのでしょうか。
あなたは、採用時に「企業の社会的責任(CSR)」を意識したことがありますか?
CSRとは、Corporate Social Responsibilityの頭文字を取った略語で、「企業の社会的責任」と訳される言葉です。
企業が、自社の利益を追求するだけでなく、
自社の活動が社会へ与える影響に責任をもち、
自社を取り巻くあらゆるステークホルダー
(消費者、取引関係先、投資家、及び社会)からの要求に対して、
適切な意思決定を行ない、企業自らの永続性を実現すると共に、
持続可能な未来を社会とともに築いていく活動です。
採用活動では、学生は自分を見つめなおしたり、様々なことを吸収して成長します。これは、見方を変えれば「企業の社会的責任」に関わる活動とも言えます。
各企業が豊かになるには、日本全体、社会全体が豊かでなければいけません。(一社だけが豊かな社会は存在しません)。そのためには、これから社会に出る学生一人ひとりが成長していく必要があります。また、最近の就活生の意識としても「成長できる会社かどうか」を重視する傾向がありますので、それを見せることも重要です。
そのため、選考では学生を育てることや成長への手助けをすることも重要です。つまり「一企業も社会への責任を果たしていく必要がある。というスタンスを持つべきだ。」という事です。
これだと一時的には自社に利益が無いように感じますが、長い目で見ると自社の評価に繋がり、採用に強い会社になることが出来るかもしれないのです。
以下でその理由を説明します。
なぜ学生を育てると強い企業になれるのか
この社会的責任は、内定を出しても他社にいってしまう学生がいるように、短期的に見ると意味が無いように見えますよね。しかし、長期的に見れば自社へのメリットになることかもしれないのです。
つまり、その年だけではなく、翌年以降の採用に良い影響をもたらすことになるかもしれないという事です。企業のブランドが学生の間で確立されれば、自然と学生は選考を受けてみたくなるのです。
では、長期的に見た場合、どのような形で企業のメリットにつながるのでしょうか。
会社の評判サイトへの投稿
現在の就活は、求職者がインターネットを多用する時代で、選考の様子(面接で聞かれたことやどんなグループワークだったか)などがインターネット上に詳しく書かれる時代です。そんな時代に就活生を支えている1つのツールが、この会社の評判を書き込める口コミ・評判サイトです。
なぜ学生を育てると強い企業になれるのか。の1つの答えとしては、ここに会社の評判が書かれるためだという事です。
こういったサイトでは、学生が体験した選考の様子が書き込まれています。ここの評判が上がれば上がるほど、次年度の採用活動に良い影響をもたらします。
口コミの中に、「こんな学びがあった。」「こんな成長ができた。」というものがあれば、学生は、「この会社で何か学べるかもしれない。選考で成長できるならちょっと行ってみようかな。」という気持ちになります。
ただ自分が見極められる選考よりも、何か成長ができる選考なら、落ちても失うだけではなく得ることが出来るので、学生も参加しやすくなるでしょう。
選考に落ちたとしても、普通に落ちた時とは印象は違うはずです。
そして、参加した学生がまた良い評判を書き込んでくれるという好循環になります。
口コミでの拡散
就職活動では、就活生同士は意外と繋がっています。
すべての学生が何かしらのコミュニティに属しているわけではありませんが、就活カフェだったり、長期インターン等で仲間ができる就活生が多くいます。イベントでたまたま出会った学生とその後も連絡を取り合い、就活状況を報告し合うというのもよくある話です。
その連絡の中で、「どんな企業の選考受けてるの?」「あの会社どうだった?」という話も出ます。
採用担当に聞かれないその連絡では、学生の本音が出ます。
- 「あそこは採用担当がなんか頼りなかった。」
- 「パワポの完成度が低くて、自分もあまり成長できる会社じゃない気がした。」
なんて言われていたらどうでしょう。実際に選考を受けていない学生の印象まで落ちてしまいます。
しかし、ここで、
- 「この会社の選考では実際の営業マンと話しながらワークを進めることが出来たから、業界を知れただけじゃなくてちょっと成長できた気がする。」
なんて話になっていたらどうでしょう。選考の話を聞いた学生もこの会社に良い印象を抱くはずです。
学生はサークルの後輩にも就活のアドバイスをします。そんな時に、「当時自分は選考に落ちたけど、あの会社は良かったから後輩くんも受けてみなよ。」なんて先輩からアドバイスをもらったら、後輩もその会社のことは調べたり気になることでしょう。
小さく、拡散力は低いですが、こういった形で会社の評判は広がっていくのです。
「育てて採る」弊社の事例
ここまで、選考では学生を育てることの大切さやそのメリットを説明してきましたが、弊社でも選考では学生を育てていますので、その事例をご紹介します。
自社のビジネスを勉強する選考
弊社の選考では、何度も何度も面接をしません。毎回グループワークや課題を与えて選考をします。
あまり中身に関して詳しく話すとネタバレになってしまうので、2021年卒の学生に向けておこなった選考について簡単に説明します。
1次選考では、マーケティング業界に関する知識を解説し、その知識を使って出来るグループワークを与えました。
このことによって、業界の知識を得られただけではなく、実際にワークをおこなうことで、学生は学んだことをすぐにアウトプットすることが出来ます。ここで学生は成長を感じます。
2次選考では、自社のビジネスモデルをベースにワークを進められる課題を与えます。そのことによって業界と企業理解が同時に可能になります。
この選考に共通しているのは、企業側がただ学生を見極めるのではなく、学生も企業を見極めているという事です。つまり、お互いに相性を確かめ合うことで、ミスマッチも防げています。
結果として、現時点で2021卒の内定者数は16人で承諾者が12人です。7月末まで回答を待っており、辞退者は今のところ1人となっています。
「成長できる」を実感した内定者の話。
前述した選考フローを実際に体験した内定者から伺った話を載せます。
21年卒の男子大学生の内定者 I くんの話です。
僕は、WCHの選考(インターン)を受ける前にも、10社ほど選考(インターンを含む)を受けてきました。しかし、ただ業界の説明とフィードバックが弱い簡単なグループワークなどが一般的でした。
それに比べてWCHの選考では、インターンという形で、業界の知識だけではなく、実際に使えるマーケティングスキルの一部を教えていただき、それを使って課題を解決する体験をしました。
ワーク中には社員さんからアドバイスをいただくことができ、ただ考えるだけではなく、色々な学びがありました。
時間は少し長めでしたが、実際に自分が仕事をしたらこんな感じなんだろうなというイメージや、何よりもその日でちょっとだけ成長できた気がしました。広告の見方が変わったりなど、生活でも見え方に変化があって、当時参加して良かったなと本気で思いました。
結局、その後も選考を進み、お互いにミスマッチなく内定をいただくことができました。
彼が体験したインターンシップの事例は以下の記事をチェック!
関連記事:【学生の実体験】インターンのやり方が分からない方向けに他社事例を暴露
選考では長期的視点で学生を育てる
いかがだったでしょうか。採用が上手い企業の選考では、ただ学生を見極めるだけにとどまらず、「育てる、成長させる」という意識も大切です。
選考は短期的にではなく、長期的に見て、自社のブランドイメージを高めるようにしましょう。
すぐに結果は出ないかもしれませんが、それはビジネスでも同じです。目の前の結果に振り回されず、学生に寄り添った選考に取り組んでみてください。