採用の教科書

ポテンシャル採用を始める中小企業必見!メリットデメリット、注意点を解説

ポテンシャル採用を始める中小企業必見!メリットデメリット、注意点を解説

「ポテンシャル採用って何?」「なんとなく理解はしているけどポテンシャル採用を取り入れると何が良いのか分からない」

そんな疑問を抱える方のために、今回はポテンシャル採用とは?という部分から、メリット・デメリット、注意点に至るところまで惜しみなく解説していきます。

新卒採用を始めたいと思っている中小企業の方は必見です。

ポテンシャル採用とは

新芽

ポテンシャル採用とは、採用職種において経験やスキルなどを問わずに求職者のポテンシャル(潜在能力、可能性)や、将来性を基準とした採用方法のことです。

そのため、ポテンシャル採用では、今はなにもスキルがなく、明日からすぐに戦力として働くことはできないけど、教育すれば戦力になってくれると期待できる人材を採用します。

ポテンシャル採用は第二新卒を含む若手の採用に使われている

そのポテンシャル採用は、主に若手の採用をする際に使われます。若手というのは新卒と第二新卒のことです。

第二新卒の定義(年齢等)は各社によって異なりますが、本記事では20代前半の方を若手と呼ばせていただきます。

ポテンシャル採用は若手の採用以外にも中途採用で使われることがありますが、ややこしくなるので、今回は若手採用にフォーカスしたポテンシャル採用について解説します。

キャリア採用とポテンシャル採用

採用方法の1つとしてポテンシャル採用がありますが、その対になる採用方法としてキャリア採用というものがあります。

キャリア採用というのは、採用職種において一定の経験やスキルなどを持つ人材を確保する採用方法のことです。

ポテンシャル採用 キャリア採用
ターゲット 新卒・第二新卒 中途
スキル 不要 必要
コスト かかる かかりにくい
大量採用 可能 難しい

この両方法の違いを理解したうえで読み進めて行ってくださいね。本記事では20代前半の新卒・第二新卒をターゲットとしたポテンシャル採用という採用方法を取り上げます。

ポテンシャル採用のメリット

上昇するイメージ

ということで、ここからは採用方法の中でもポテンシャル採用を選んだ際の具体的なメリットに関して解説していきます。

第二新卒のみ当てはまる項目に関しては(第二)と表記します。

成長スピードが速い

ポテンシャル採用をすることで、キャリアビジョンがしっかりしていたり、成長意欲が高い若手を採用することが出来るので、成長スピードが速い人材を確保することができます。

ポテンシャルを見て、この人は仕事に対するモチベーションは高いか、大きく成長する可能性はあるかなどを判断するので、入社後に速いスピードで優秀な人材になる可能性があります。

若手を集めやすい

ポテンシャル採用はキャリア採用とは異なり、未経験、スキルが無くても採用する手法です。そのため、求職者からすれば応募のハードルがかなり低くなります。

応募のハードルが下がり「自分でも入れるかも」と思ってもらえれば、多くの若手が選考に来てくれることでしょう。

ただし、人を集めることは目標でしかなく、採用の目的は採用した人材が活躍することにありますので、その人材が本当にポテンシャルがある人材なのかを見極める必要があります。

「でも採用基準が明確じゃないからどう判断して良いか分からない」という方は、こちらの記事で採用基準の考え方を解説しているので、合わせてお読みください。

関連記事:デキる人事の思考術!新卒選考で本当に見るべき採用基準の考え方

人事の方に限らず、採用に困っている経営者の方にも必要な考え方になっております。

企業の若返りが期待できる

ポテンシャル採用は若手を採用できるため、企業の若返りが期待できます。

というのも、ポテンシャル採用で採用した人材はまだどの会社の風土にも深く染まっていないことが多いので、企業に新しい風を吹かせてくれる可能性があります。

さらに、やる気と活気に溢れているので、既存社員への刺激にもなります。

もし人数が少ない中小企業であれば、新卒に比べて高い年齢層の社員が多いこともあります。ポテンシャル採用で入ってきた何にも染まっていないフレッシュな社員が、新しいアイデアや物の見方を発見してくれるかもしれません。

将来の幹部候補を採用出来る

これは長期的な取り組みとなりますが、ポテンシャル採用には将来の幹部候補を採用できるというメリットもあります。

キャリア採用で採用した人材の場合、前社の企業理念や企業文化が根付いていて、経営者の中には将来の経営を任せにくい(自社の経営理念以外の雑念が入っている)という考えを持っている方がいます。(もしかしてあなたも?)

そのため自社が今まで築き上げてきたものを純粋に継承出来るのは、純粋な若手人材だと考えることが出来ます。

こういった面から、将来の幹部候補に向いている若手を採用できるのもポテンシャル採用のメリットとなります。

ビジネスマナーを心得ている人材の採用ができる(第二)

第二新卒であれば、全社でビジネスマナーなどの社会人基礎を身に付けていることが多いので、そういった部分の教育が必要ありません。

実務の教育に合わせて社会人基礎に関しても教育しているとかなりコストがかかります。そのため、第二新卒のポテンシャル採用は教育面でもメリットがあります。

新卒では採用できなかった優秀な人材が確保できる(第二)

もう1つ第二新卒の場合のメリットとして、新卒市場では獲得できなかった優秀な人材が採用できる可能性があります。

近年、終身雇用の崩壊とともに若手は大手思考ではなく、自分が成長できるかという見方で会社を選んでいるため、大手ばかりに優秀な人材が集まるということは減ってきています。

しかし、それでも大手思考の流れは完全には無くなっておらず、学歴やモチベーションの高い優秀な新卒はある程度大手に採られてしまい、まだ採用力が低い中小企業は優秀な人材を確保しずらいのが現状です。

ですが、第二新卒のポテンシャル採用であれば、そういった優秀な学生を採用できるチャンスがあります。

大手思考で大手に入社した学生ほど、転職をしたいと思った時は大手以外への転職を考えていたりします。そういった層に対しては、「大手ではできなかったこんな仕事がうちならできるよ」とアピールできれば、御社に魅力を感じてくれるかもしれません。

ポテンシャル採用のデメリット

寂しい一本の木

ポテンシャル採用は、長期的に見れば会社を大きくしていくために必要なことかもしれませんが、短期的にはデメリットもあります。

メリット・デメリットのどちらも加味して採用方法を検討していきましょう。

即戦力にならずコストと時間がかかる

ポテンシャル採用で獲得できる若手は、社会人経験が浅く、即戦力として採用することは難しいです。即戦力にならないということは、もちろん教育が必要になりますので、戦力になるまでの教育コストと時間がかかります。

その時にそのコストが負担になったり、教育に手が回せず放置などとなってしまえば、さらに無駄な人件費等がかかることになります。

そのため、自社の経営状況やリソースをどれほど割けるのかを考えてポテンシャル採用を取り入れましょう。

前職の経験があだとなる可能性がある(第二)

第二新卒で採用した人材の場合は、前職での経験があだとなり、入社してからの業務や社内でのコミュニケーションに難が生じる可能性があります。

前職の仕事の進め方や常識が当たり前として染みついているため、入社した会社に馴染めない、上手く仕事が進められないなどの問題が起こることがありますので、そういったデメリットも加味しなくてはなりません。

また転職する可能性がある(第二)

20代前半の若手で、転職に踏み切れる決断力と成長意欲がある人材の場合、入社後にまた転職を考えてしまう可能性があります。

入社してみたものの、思った仕事と違ったりもっと良い環境を見つけたともなれば、再度転職してしまうという事態はまぬがれません。

そのようなことを防ぐためには、なぜ前職を辞めたのか、志望動機は自社に合っているかなどを細かく確認し、すぐに辞めていく人材ではないかを見極めましょう。

ポテンシャル採用の失敗を防ぐための注意点

caution

ポテンシャル採用のメリット・デメリットを理解したとことで、最後に注意点を確認しておきましょう。

実際に採用をおこなうにあたって気を付けていただきたい点に関してまとめてあります。

ポテンシャルの定義を明確にする

採用にあたり、ポテンシャルの定義をはっきりさせ、どんなポテンシャルを持った人材を採用するのかという採用基準を決めておきましょう。

ポテンシャルの意味が曖昧な状態では、上手い採用はできません。採用は感覚ではなく、「どんなポテンシャルが自社での活躍に必要なのか」「どんな価値観であれば自社とミスマッチしないのか」などを踏まえて採用をおこないましょう。

具体的な採用基準の考え方や採用方法に関しては以下の記事を参考にしてみてください。

▼関連記事

デキる人事の思考術!新卒選考で本当に見るべき採用基準の考え方

本当に採用が上手い会社がやっている選考方法は意外とシンプルだった?

キャリアステップのズレを無くす

選考の際は、求職者がどんなキャリアステップを望んでいるのか、設計しているのかをヒアリングしましょう。

そこでそごが生まれてしまっては、入社後にミスマッチが起き、再度転職を考えてしまうかもしれません。先ほども話した通り、転職経験がある若手は決断力があるので、一度転職を考えてしまうと厳しい状況になります。

お互いの為にも、キャリアステップはしっかりと確認し合い、求職者が何を求めているのかを把握しましょう。

研修制度・教育体制が必要

ポテンシャル採用を取り入れる際は、事前に研修制度や教育体制を整えておくことが必要です。

せっかく優秀な人材を採用できたとしても、その人材を育てて行けなければポテンシャルで採用した意味がありません。

ポテンシャルを活かして成長させたい場合は、しっかりとした研修制度や教育体制を整え、採用コストが無駄にならないようにしましょう。

ポテンシャル採用で会社を成長させよう

今回はポテンシャル採用のメリットデメリットなどに関して詳しく解説してきました。

ポテンシャル採用を取り入れることで、将来の幹部候補が獲得出来たり、新卒だけでは採用できない優秀な人材とも出会うことが出来ます。

中小企業などまだ成長段階の会社にはポテンシャル採用が向いているかもしれません。

これから採用活動を活発化していきたいという場合は、前述した注意点をよく抑えて、ぜひポテンシャル採用を取り入れてみてください。

御社の採用の手助けになれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。

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