- 「いきなり面接官を任されたが、面接のやり方が分からない」
- 「面接をやっているが自分の面接が正しくできているか不安」
- 「久しぶりに面接官をやるのでやり方や注意点を復習したい」
中小企業の面接担当者は社内にノウハウがなかったり、経営者が直接面接官を担当していることも多く、「正しく面接が実施できているか不安」「人材の見極め方が分からない」という悩みを抱えていることが多いです。
今回の記事では、面接のやり方が分からない方や面接のやり方を振り返りたい方のために、面接マニュアルと称して網羅的に面接のノウハウや面接前後の応募者への対応方法、実用性のある質問集をプラスして解説していきます。
この記事を読めば、面接官初心者でも正しい方法で求職者を見極めることが出来るようになるだけでなく、面接前後の対応で困るということがなくなります。
以下の目次をクリックして、見たいところから見ることをおすすめします。あとで復習できるようにブックマークもしておくと便利です。
面接官の心構え、スタンス
まずは面接官の心構えをしっかりと覚えておきましょう。
面接官の役割は見極めと魅力付けの2つ
面接を始めたての面接官の方は、
というように応募者を見極めることだけにフォーカスしがちです。もちろん応募者を見極める必要はあるのでこれも正解です。
しかし、面接では応募者を見極めることに加えて、応募者に魅力付けをする必要もあるのです。
いくら良い人材が面接に来て、その方を見極めることが出来ても、「入りたい!」と思わせなければ内定は辞退されます。
よく、「面接に来る応募者には内定を出せば入社する」と思い込んでいる方がいるのですが、それは間違いです。なぜなら、応募者が受けている会社はあなたの会社だけではないからです。
そのため、面接を通して自社の魅力を伝えることで、面接を受けた複数社の中から選んでもらう必要があるのです。
面接官の役割
- 見極め
→ 必要な情報を引き出し、優秀な人材を採用するため - 魅力付け
→ 意思決定を後押しし、自社を選んでもらうため
お互いの本音を話し、お互いに良い面接が出来たと思えるのがベスト
面接では、「面接官が聞きたいことを引き出せた=ベストプレー」ではなく、お互いに良い面接が出来たと思えるのがベストな状態です。
お互いが本音を喋れることはもちろんですが、面接官は合否の判断に必要な情報が引き出せたか、応募者側は入社したいかの判断ができたか、自分の話したいことが伝えられ聞きたいことが聞けたかというのが重要になってきます。
面接官は会社の顔である
面接官の印象や面接の雰囲気次第で、会社に対する応募者のイメージが決定されます。面接の際は会社の顔として、恥ずかしくない態度をとりましょう。
面接官の態度や印象によって応募者の志望度は変化するので、重要な心構えになります。
- 服装や髪型など身だしなみにはこだわる
- 第一印象を良くする
- リラックスできる雰囲気づくり
ポイントは3つです。順に解説していきます。
1.服装や髪型など身だしなみにはこだわる
面接官は応募者を見極める立場です。しかし、応募者側も面接官の姿を見て会社を見極めているため、面接官側も服装や髪形などの身だしなみはしっかり整えましょう。
応募者がしっかりとした服装で面接に臨んでいるにもかかわらず、面接官の服装や髪形がだらしなかったら、会社の印象が下がってしまうでしょう。
もし、スーツ着用で面接を受けてもらう場合は、自らもスーツを着用する方が印象としては良くなるでしょう。応募者はスーツ指定なのに面接官が私服を着ていると、そこで上下関係が出来ているように見えます。
採用は「選び選ばれる関係」ということを意識することが大切です。
2.第一印象を良くする
応募者と初めて対面する際は、第一印象に注意しましょう。
身だしなみもその一つですが、第一印象が良くなるだけで面接の雰囲気が変わり、応募者の本音が引き出しやすくなります。
応募者は、面接の結果が今後のキャリアにかかわるため、面接官以上に緊張して顔がこわばっていることもあります。そのため笑顔と明るい声のトーンを意識して挨拶をし、スタートから印象を良くしましょう。
緊張のほぐし方についてはこちらの記事を参考にしてください。
3.リラックスできる雰囲気づくり
身だしなみを整え、第一印象を良くしても、面接中に緊張されたり不快感を持たれたりしては意味がありません。そのため、応募者がリラックスでき、好感を持てる雰囲気づくりを心がけましょう。
- 「あなた」ではなく「○○さん」と名前で呼ぶ
- 応募者の話を途中でさえぎらない
- 応募者の目を見て話を聞いたり、質問をする
- あいづちを入れるなど、応募者の話に興味を示す
- PCを使う際は、はじめに理由を伝える
- 部屋を明るくする
- たまに笑顔でリラックスさせる
- 面接の最後には、来てくれたことに感謝の意を示す
- 足や腕を組むなど偉そうな態度をとる
- 面接シートなどを見てばかりで全く応募者の目を見ない
- 応募者の話を途中でさえぎったり、否定したりする
- 応募者側だけパイプ椅子に座らせ、自分は良い椅子に座る
- 面接官側にだけ水を用意する
- 終始こわばった表情で笑顔が無い
- ペン回しや貧乏ゆすりをする
- 面接官同士でしか聞こえない声で会話する
- オフィスの角に用意した簡易的な机と椅子でおこなう
面接官が応募者に対して媚びる必要はありませんが、対等な立場で面接をしていることが分かるような態度を心がけましょう。
【注意点】面接官としてやってはいけないこと
面接では、面接官としてやってはいけないことがあります。
これらをやってしまうと、会社の評判が下がるだけではなく法律に触れる可能性もあるので注意が必要です。
NG質問をしない
面接では、職業安定法で決められた、聞いてはいけない事項があることをご存知でしょうか。
などという方は要注意です。もしかしたら今までの面接でNG質問をしてしまったこともあるのでは?
この記事下部の質問集にもまとめてありますが、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
専門用語を使い過ぎない
面接のみに限らず、選考フロー全体で言えることですが、応募者に対して専門用語や横文字を使い過ぎると、相手が理解できない場合があるので注意が必要です。
こんな感じのものです↓
- アサイン
- ステークホルダー
- CV
- KPI
- ボトルネック
特に、新卒のポテンシャル採用の場合は「用語を知らない=優秀ではない」と決めつけてしまっては、機会損失につながる可能性もあります。
中途採用の場合も業界や業種ごとに専門用語が異なる場合があり、面接中のコミュニケーションがうまく取れなくなることもありますので注意してください。
圧迫面接をしない
圧迫面接をしないというのは当たりまえですが、重要なので取り上げておきます。
過去にはストレス耐性を見るためという理由で圧迫面接を取り入れていた企業はありましたが、近年は様々な理由から圧迫面接は悪い面接だという考え方も広がっています。
相手に過度にストレスを与える面接は、応募者を不快にさせるだけではなく、SNSや就活の口コミサイトに書き込まれるなど、会社の評判にも影響を及ぼす可能性があります。
例として以下のようなものが圧迫面接ととらえられる可能性があります。
自分ではやるつもりが無くても、無意識に圧迫面接になってしまう可能性もあるので注意してください。
応募者を下に見ない
新卒採用において起こる可能性があるものですが、知識や経験が無い応募者を下に見る行為は絶対にやめましょう。
その業界で働いた経験のない方が、業界や仕事内容について上手く説明できないのは仕方がない事です。
もし相手の意見が納得いかなかったり間違っていても、その意見に対してあげ足をとったり威圧するような態度をとることはしてはいけません。
もしイメージベースの発言や抽象的な発言をしている場合であっても、それを肯定しつつその内容について深堀りしていくのが良いでしょう。
もちろん悪いイメージで勘違いしていることに関しては、誤解のないように丁寧に説明してあげましょう。
選考中に不採用と決めても態度に出さない
面接は自社に入社して活躍できる人材を採用することが重要です。そのため、面接中に「この応募者は不採用だな」と思うこともあるでしょう。
しかし、不採用だと面接中に心の中で思ったとしても、決して態度に出してはいけません。なぜなら、自社に興味を持ってくれ、面接のためにわざわざ足を運んでくれた応募者に失礼だからです。
また、応募者に対して悪い態度をとった結果、そのことが口コミやSNSで拡散し、のちの会社の評判に影響を及ぼす可能性があるためです。さらに、その時選考に落とした応募者が、将来の取引相手になる可能性も考えられます。
そういったことを踏まえて、選考の結果がどうであれ、面接中にそれを態度に出すことはしてはいけません。
面接と面談の違いは目的にある
ちなみにですが、面接と面談には目的が異なるという違いがあることはご存知でしょうか。
- 面接の目的
→合否をつけること - 面談の目的
→企業と応募者が本音で話し合って双方向のマッチングを図ること
これが面接と面談の大きな違いです。
面接でも求職者に対して魅力付けが必要なので、双方向のやり取りをする場面はありますが、面談よりも一方向的なコミュニケーションになりやすいので、マッチング度やお互いの悩みなどを無くしたいというときは面談をおすすめします。
面談をおこなう際の具体的な方法やコツ、注意点についても詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
応募者への面接前対応【電話・メール別】
応募者からの連絡に対応をする際は、事前に社内でルールや担当者を決めておくことが重要です。
ルール化されていない状態で対応をしていると、対応漏れや応募者ごとに対応が変わってしまうなどの問題が起こる可能性があるためです。
電話対応で気を付けること
応募者への電話対応では以下のことに気を付けましょう。
- 聞き取りやすい声のトーン・速さで話す
- 日時や担当者などは間違いのないように伝え、確認する
- 応募の際に求職者が見た資料・サイトを手元に用意する
- 電話に出られない、担当者の不在時は出来るだけ即日折り返す
また、代理の方が電話対応をする際は、以下のような伝言用テンプレを用意しておくと良いでしょう。
対応者氏名:
受付日時: 月 日 ( 曜日) : ごろ
応募者氏名(フルネーム):
電話番号:
用件(応募or問い合わせ):
問い合わせであればその内容:
折り返しに都合の良い時間帯(後日可):
社内チャットツールで共有しても良いですし、紙で用意しても良いと思います。
メール対応で気を付けること
応募者へのメール対応では以下のことに気を付けましょう。
- 初回応募から24h以内、9~18時(定時)の間で通過連絡をする。
- 逆に不通過者にはすぐに不通過通知を送らない。
- 早朝深夜にメールしない
- 差出人(企業側)の対応者名も明確にし安心させる
- 返事の宛名を明確にさせてあげる
- お高く留まらず、応募のお礼、面接歓迎の言葉を添える
- やり取りがなるべく少ない工数で済むように心がける
- リスケジュールにも柔軟に対応する
メールの際は返信用のテンプレを用意しておくと良いでしょう。そうすることで素早く対応することが出来ますし、必要な内容をもれなく送れます。
以下の記事では、さらに具体的な対応のコツや、電話対応のデモ会話、メールの返信用テンプレを紹介しています。
今日から使える内容になっていますので、応募者対応に不安がある方はぜひ参考にしてください。
採用基準の作り方
面接をおこなうにあたって重要なのが採用基準です。
採用基準が無ければ面接をする際にどんな質問をすれば良いか分かりませんし、面接官によって良い人材の定義がバラバラになってしまいます。
- 採用の目的を明確にする
- 求める人物像を定義する
- 人材要件を分類して考える
- 不要要件は採用基準から外す
- 選考フローごとの基準を設定する
このような流れで採用基準を考えていきましょう。
まず、採用の目的を明確にします。何のために人材を採用するのかが決まっていなければ、基準を作ることはできません。
採用基準を作る際は求める人物像も定義しておく必要があります。求める人物像を考える際は、その人が入社する背景なども踏まえて細かく設定しておくとよいです。
また、経営陣、部門長、人事など複数人で意向を合わせながら理想の人物を考えるとよいでしょう。
次の人材要件は以下の3つに分類されます。
人材要件の3分類
- 絶対要件=絶対にないといけない要件
- 希望要件=持っていたら嬉しいが、入社前はいらない要件
- 不要要件=無くても問題ない要件
採用基準を考えていると、要件がたくさん出てきますが、挙げすぎるとキリがありませんので、これは絶対要件か、希望要件かをしっかり区別する必要があります。
人材要件を分類したら、選考フローごとに基準を設定します。
1次選考ではこの要件、2次選考ではこの要件といったようにどの選考段階で何を見るのかを設定しておくという形です。
1回の選考で見られる部分には限界がありますので、基準を複数回に分けて見極めることで間違いがない採用につながります。
育てられる能力は採用基準から外す
入社前に持っていないといけない能力、入社前に持っていなくても教育次第で獲得できる能力は何かを考えます。
そこで挙がった教育次第で獲得できる能力に関しては、採用基準から外しても良いでしょう。
コミュニケーション能力など、一般的に持っていた方が良い能力であっても、それに固執しすぎると優秀な人材を逃してしまう危険があります。そのため、自社の採用時に必要な能力・無くても良い能力をしっかり考えましょう。
採用基準は下げてはいけない
採用が上手くいかないとき「採用基準を下げよう」と考えてしまう企業は多いです。しかし、採用が上手くいっていないからといって採用基準を下げることはおすすめしません。
採用基準を下げるということは、採用する人材の質が下がることに繋がるからです。
もし採用基準を下げたい場合、下げることが出来る条件があります。それは、教育制度が整っていることです。
もし本来の採用基準を下回る人材が入社してきても、育成でなんとか元の採用基準レベルの人材まで引っ張り上げることが出来れば、問題はありません。しかし、それが不可能な場合、採用基準は下げてはいけないのです。
安易に採用基準を下げると
- 教育とマネジメントの負荷が大きくなる
- 採用した人材がすぐに辞めてしまう(ミスマッチ)
といった問題が起こる可能性がありますので注意してください。
自社に適した採用基準の作り方に関してさらに知りたい方は、以下の記事で今回の内容を深堀りして解説しているので、ぜひご一読ください。
面接の評価シート作成方法
面接をおこなう際は、面接評価シートを利用しましょう。
評価シートを導入することで、各面接官の認識がズレにくくなります。また、主観での評価が減ることや、面接の記録を残すことができるというのがメリットです。
面接評価シート作成の流れ
ここから、面接評価シートの作成方法について解説していきますが、すべての企業で導入できる万能な評価シートは存在しないので、自社にあった評価シートを作成する必要があります。
評価シートは以下の流れで作っていきます。
- 求める人物像を設定する
- 評価項目と優先順位を設定する
- 評価項目の判断基準を設定する
- 質問例を設定する
では流れに沿って解説していきます。
1.求める人物像を設定する
まずは、自社の求める人物像を設定します。
求める人物像については、採用基準の見出しでも触れましたが、採用したい人物の背景なども設定しておくとよいでしょう。難しく言うとペルソナを設定するということです。
その際は経営陣、部門長、人事など複数人で意向を合わせながら理想の人物を考えていきましょう。
2.評価項目と優先順位を設定する
次に求める人物像から、どのような評価項目があげられるか、またその優先順位を考えていきます。
この評価項目は、スキル・人間性・経験など多面的に考えると良いです。
評価項目の例
主体性、向上心、ストレス耐性、論理性、傾聴力など
ただし、項目だけを挙げるのではなく、具体的に「○○が出来るか。○○をしていないか」など文章でチェックポイントを書いておくと良いでしょう。
評価項目を設定したら、その項目の優先順位を考えますが、その際は求める人物像から逆算して考えます。
求める人物像に不可欠な項目や重視しておきたい項目では優先度を高くしておくことで、間違いのない採用につながります。
3.評価項目の判断基準を設定する
設定した評価項目を各面接官でズレなく判断するために、評価項目の判断基準を設定します。
例としては、シンプルに「1~3点」と点数をつけたり、「良い・どちらかというと良い・どちらともいえない・どちらかというと悪い・悪い」という5段階評価にするなどです。
判断基準を決める際は、どのように判断するかを考えるのも大切ですが、「どれくらいなら何点」など点数の基準なども細かく決めておくと正確に判断することができるでしょう。
4.質問例を設定する
これは必須項目ではないのですが、質問例をつけておくと、初めて面接をする方や慣れていない方が面接をする際でもスムーズに質問をすることができます。
面接での質問例は後述しておりますので、参考にしてみてください。
面接評価シートは作り込み過ぎない
面接評価シートがあれば、面接をする際に各面接官で評価のズレがなくなったり、採用の基準を共有しやすくなります。しかし、面接評価シートを作り込み過ぎて、それを使いこなすことに必死になると、応募者との会話の弊害になることもあります。
評価シートを作った本人であれば、そのシートの使い方や面接の進め方は十分に理解できているかもしれませんが、現場の社員が面接をおこなうこともあると思います。そういった時に評価シートを使いこなすことに意識がいってしまうと、
といったことにもなりかねません。このような面接をすると、応募者の志望度が下がってしまうので気を付けましょう。
作成者の意図は意外と伝わらないものです。評価シートを作る際は以下のことに気を付けましょう。
- 面接の流れを意識して作成する
- 評価項目の数を増やし過ぎない
- チェックポイントはなるべく具体的に書く
- 評価シートの使い方、意図を面接官に伝える
評価シートは上記のポイントを押さえつつ、過度に作り込み過ぎないようにしましょう。そして、最後に作成した意図を伝えることが大切です。
面接の流れは5ステップ
いよいよ面接をします。実際に面接を行う流れは図の5ステップです。
では一つずつ説明していきます。
1.アイスブレイク
応募者が入室、または面接室に応募者を案内したら、まずはアイスブレイクをします。
多くの応募者は緊張していることが多いので、その緊張感をとき、本音を引き出しやすい状況を作ります。
いきなり面接的な質問をするのではなく、簡単な話題で会話を始めます。その時には
など、面接とはあまり関係のない話ができる質問をすると良いでしょう。
2.自己紹介、会社説明
次に面接官自身の自己紹介と、会社説明会をしていない場合は簡単に会社説明をします。
伝える内容としては以下を参考にしてください。
自己紹介
- 名前
- 部署、役職
- 業務内容
会社説明
- 理念
- 簡単な社史
- 事業内容
- 今後の展望
これらを説明しておくことで、スムーズなやりとりにつながるだけではなく、逆質問の際にも応募者が質問しやすくなります。
3.履歴書・ESを踏まえて質問
ここまで来たら、履歴書やESの内容を踏まえて質問をしていきます。
質問をする際は、ありがちな質問をするのではなく、自社の人材要件に合うかどうかが判断できる質問をします。質問内容は事前に決めておくのも良いですが、それに縛られて柔軟な対応ができないのも良くありません。
質問したことはそれで終わらせるのではなく、なぜその行動をしたのか、なぜそう考えたのかを深堀りすることで、その人がどんな性格・価値観なのかが見えてきます。
面接の際は、応募者にたくさん話してもらうことが重要です。なぜなら面接官がべらべら話していては、応募者のことが理解できないからです。
面接官は聞く側に回り、応募者と会話のキャッチボールを心がけましょう。
4.逆質問を受け付ける
面接官が聞きたいことを聞き終えたら、応募者側の聞きたい質問を受け付けます。応募者側が不安や疑問に思うことに対して、丁寧に答えましょう。
逆質問を受け付けるとこのようなメリットがあります。
5.今後の流れを確認
最後に、今後の流れを確認します。「合否はいつどのように伝えるのか」や「合格の場合次の面接はいつおこなうのか」などです。
伝えそびれたことがある場合もここで話しておきましょう。
【例61個】テーマ別の面接質問集
ここからは面接の際に使える質問例をカテゴリー別に紹介していきます。
この記事内で載せている質問集と、さらに添付してある関連記事で載せている質問集を合わせると全部で61個の質問例を見ることが出来ます。合わせてご覧ください。
以下の面接質問集を利用する際は、一言一句そのまま使うのではなく自社の採用基準や求める人材に合わせて臨機応変に言い変えながら自然な質問になるように意識してください。
求職者の緊張をほぐす質問
まずは求職者の緊張をほぐさないことには始まりません。
面接の流れ、アイスブレイクの部分でも説明しましたが、多くの求職者は緊張していることが多いので、面接官がその緊張をほぐすような話題や質問を振る必要があります。
- 「会社の場所はすぐに分かりましたか?」
- 「外は暑いですが室温は大丈夫ですか?」
- 「今日は雨ですが濡れませんでした?」
- 「〇〇大学はどんなところですか?」
- 「好きなこと、趣味はなんですか?」
このように面接とは関係のない質問をすることで、求職者がリラックスして面接を受けられる環境を作ります。
お互いがベストな状態で面接をするためにも、アイスブレイクとして緊張をほぐすことはとても重要です。
以下の記事では、さらに詳しい質問の仕方を雰囲気づくりの点からも具体的に解説しています。
メラビアンの法則という第一印象に関する研究結果を参考にした、第一印象を良くするコツも盛り込まれておりますので、
- 「第一印象を良くしたい」
- 「初対面は苦手」
という方は合わせてご覧ください。
求職者の本音を引き出す質問
面接では、嘘ではなく本音で語りあいたいものですよね。そんなときに使える求職者の本音を引き出す質問の例です。
求職者の本音を引き出すためには、求職者の緊張をほぐす質問と、「なぜ?」を引き出す質問をする必要があります。
- 「あなたのセールスポイントは何ですか?」
- 「最近、プライベートで何か力を入れて取り組んでいることはありますか?」
- 「あなたが将来最もやりたくないことは何ですか?」
- 「過去の職務での成功体験について、“具体的なエピソードを交えて”教えてください」(中途)
さらに具体的な求職者の本音を引き出す質問のポイントや例を知りたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
優秀な人材を見抜く質問
優秀な人材を見抜く質問というとかなりざっくりしていると思いますので、さらに細かい分類に分けて質問例を紹介していきます。
見極め時の質問のポイントは「事実ベースで確認」することです。
例えば、ケーススタディをぶつけて応募者がどんな回答をするか知りたい時に、
と聞いても
と大体言われるので、
と聞くことをおすすめします。
このように質問をすることで、成功体験も失敗体験も、過去の経験で実際にどんなアクションを起こしたのか、想像や意気込みではなく事実として確認することが出来るので、失敗しにくい見極め方ができます。
会社とのマッチ度に関する質問
優秀で合っても会社との相性が合わないことには仕事になりません。
ミスマッチを防ぐためにもこの質問は有効的です。
- 「退職を決意したきっかけは何ですか」
- 「どのような企業で働きたいですか」
性格や価値観に関する質問
会社のマッチ度にも似ていますが、その環境に適さない価値観の人は人間関係などで問題が起きることもあります。
職種的、職場的に向いているかは非常に重要です。
- 「これまで~今回の転職の軸にしているものは何ですか」
- 「今まで上司や同僚などから、こんな人だよねと言われたことはありますか」
スキルに関する質問
主に中途採用に使える質問例です。
自社での仕事に必要なスキルを持ち合わせているかは事前に確かめておきましょう。
- 「弊社で活かせるスキルはありますか。またそのスキルはどのように活かせますか」
志望度に関する質問
志望度が高い方の方が、低い方よりも活躍したり成長する可能性は高くなりますので見逃せないポイントの一つではあります。
ただ、「第一志望じゃないから採用しない」というのは間違っていますのでご注意ください。
- 「多数ある企業でなぜ弊社を希望されましたか」
- 「弊社のどのような点が魅力だと感じましたか?」
成長意欲に関する質問
優秀な人材を採用しても、入社後に成長せずにただ会社にぶら下がっているだけの社員は必要ありませんよね。
そのため会社を伸ばしていく上では、入社後にどんな成長をしたいのか、どれくらい成長したいのかを聞くことは非常に重要な見極めポイントです。
- 「5年後、10年後のビジョンを聞かせてください」
- 「今回目指しているもの、手にしたいスキルやキャリアはありますか」
ストレス耐性や問題解決能力に関する質問
どんな人間でもストレスを感じます。
そのストレスを感じたときにセルフコントロールが出来る人なのか、うまく対処できる人なのかを見極めることは仕事を続けていってもらうためにも大事な点の一つです。
- 「職場でストレスを感じていたことは何かありますか」
- 「今までの挫折した経験とそれをどう乗り越えたのか教えてください」
コミュニケーション能力に関する質問
コミュニケーション能力は仕事をするうえで必要な能力なので、これを持っているかも確かめる必要はあります。
しかし、コミュニケーション能力は入社後も育てることが出来るので、あまり重視しすぎるのも良くありません。
- 「はじめに自己紹介を1分程度でお願いします」
- 「同僚や上司と円滑に仕事を進めるうえで何が大切だと思いますか」
優秀な人材を見極める質問の例を紹介しましたが、以下の記事ではさらに多くの質問例や「面接で優秀な人材を見極めるのに重要なこと」についても具体的に解説しています。
ぜひご一読ください。
聞いてはいけないNGな質問
面接には法律で定められた聞いてはいけない質問があります。
それを知らずにNG質問をしてしまっては後々問題になる可能性がありますのでここで押さえておきましょう。
聞いてはいけない質問の項目は以下の通りです。
- 本籍を問う質問
- 家族構成や家族の職業を問う質問
- 住まいや周辺環境を問う質問
- 資産を問う質問
- 思想・宗教・尊敬人物を問う質問
- 結婚予定、出産後の勤務継続を問う質問
知らないとうっかり聞いてしまいそうな質問であるため注意してください。
- 「あなたの本籍はどちらですか?」
- 「あなたの両親の職業はなんですか?」
- 「あなたは〇〇(駅や国道など)のどちら側にありますか?」
- 「自宅は一戸建てですか?」
- 「尊敬する人物は誰ですか?」
- 「結婚・出産後も働き続けてくれますか?」
以下の記事では、さらに詳しい例やなぜ聞いてはいけない質問なのか、また面接でNG質問を防ぐための対策について厚生労働省のページを参考にまとめています。
優秀な人材を採用する以前の問題なので、面接担当の方はぜひ参考にしてください。
面接の交通費は出した方が良いが絶対ではない
面接をする際に、求職者側に対して交通費を支払うべきなのかで悩む方がいると思います。
結論を申しますと、「面接時の交通費は企業側で出すに越したことはないが、絶対ではない」です。
しかし、交通費を出す会社の方が、経済的に安定していたり求職者のことを考えていることが伝わりやすいというメリットもあります。
ですが、「交通費を出さない=印象が悪い企業」とすぐになるわけではないので安心してください。
それでも
- 「交通費を支給した方が良いと考えている」
- 「交通費を支給する余裕がある」
- 「遠方の学生も採用したいので交通費を支給したい」
という企業の方は以下の記事を参考に、交通費を支給する際の基準や注意点、具体的な方法について検討してみてください。弊社の例も載せています。
ちなみにですが、近年面接はオンライン化が進んでいますので、オンラインで面接をすれば交通費について悩む必要はなくなります。
対面よりは相手の表情が分かりにくいなどのデメリットはありますが、遠方の学生と面接をする際には非常に役に立ちます。Web面接の注意点は次の項目で解説しています。
Web面接をやる方法(注意点)
Web面接を導入する際はツールを導入する必要があります。おすすめはZoomです。
Zoomであれば、求職者、企業ともに使い慣れている方の割合が多く、お互いに支障なくWeb面接をすることが出来ます。
簡単に言ってしまえば、Zoomを使ってミーティングを作成し、普段通り面接をするだけですので、特にこれといった難しい点はありません。
ですが、Web面接ではポイント(注意点)があります。
- メールで事前に面接についての注意事項などを伝える
- 面接をする環境に気を配る(雑音や光の当たり方など)
- 双方の通信状況を確認する
- リアクションは普段より大きく
Web面接をする際はいくつかの注意点がありますが、これらは最低限押さえておきたいポイントです。
Web面接は手間や費用を抑えることが出来る便利な面接方法ですが、やり方によっては求職者と上手くコミュニケーションがとれないこともあるので事前の準備などは念入りにおこないましょう。
Zoomを使ったWeb面接の基本的な流れや、さらに具体的なWeb面接の注意点について知りたい方のために以下の記事ですべて解説しています。
また、Zoomを含めて、導入するWeb面接のツールを比較検討したいという方も参考になると思います。
面接の結果通知方法は電話でしよう
面接の結果が出たら、いよいよその結果を応募者に通知します。
その際、御社ではどのように通知しているでしょうか。合格の場合は、応募者からすると電話でもメールでも嬉しいものですが、不合格通知をメールで受けた場合、どのように感じるでしょうか。
「一生懸命足を運んだのに簡単な方法で通知された…」
などと思うのではないでしょうか。
いずれにせよ不合格通知をメールで送ると、その結果に納得しない方がいたり、誠意のない通知方法だと思われる可能性があるため、電話での連絡をおすすめします。
電話で連絡することで、悪い印象を持たれることは防げますし、今後の縁にもつながってくるかもしれません。
【まとめ】面接では対等な関係であることを忘れずに
今回は面接のマニュアルということで面接官の心構えから面接で使える質問集まで詳しく解説してきました。
この記事で解説したような質問集などは、各社の採用基準や求める人材によって調整して使うようにしてください。
面接は、面接官と求職者で対等な立場で話をする必要があります。面接をする側だからといって、偉そうな態度をとったり、自分だけが見極めていると思い込まないように気を付けましょう。
今回の記事を読んだが、
などの悩みを抱えている方はいませんか?
そんな方におすすめなのが、採用コンサルティングです。
弊社でもその採用コンサルティングをおこなっております。しかし「採用コンサルティングは費用が高くて効果があるのかもよく分からない」と思いますよね。
そんな方はまず弊社の無料Webセミナー(YouTubeの専用リンクをプレゼント)を視聴してみてはいかがですか?
中小・小規模企業でも大手に勝って優秀な人材を確保できるノウハウをまとめたセミナーで、定価50,000円のところ“期間限定”で無料プレゼント中です!
- 無料なのでコンサルで失敗してコストがかかるという心配がありません。
- スマホでも視聴できるので、移動時間が効率的に使えます。
- どの企業でもすぐに実行できる内容で、再現性の高い内容です。
- 元リクルートで採用サポートをこなした講師の話が無料で聞けます。
株式会社リクルートで数千社の採用をサポートした経験を活かし、現在は株式会社ウィンキューブホールディングス執行役員兼、人事統括部長を務める。
【従業員数30名以下の小規模企業に特化した採用コンサルタント】として数多くの企業の採用支援に従事。
- 一部上場企業と採用競合してもほとんど負け知らずで内定承諾を獲得。
- スタートアップメンバーとして一部上場企業の社員6名の採用に成功。
- 無名の中小企業にも関わらず、新卒選考で東大生の採用に成功。その他、上位校の学生も多数内定。
- リクナビ新卒のエントリー数は平均の約7倍以上を記録。
- 新卒内定辞退率10%以下、中途内定辞退率20%以下。
など、数々の成果を生み出している中小企業採用のプロフェッショナル。
まずは無料で採用ノウハウを知りたいという方は以下のリンクからメールアドレスをご登録ください。すぐに無料のWebセミナーをご視聴可能です。