採用の教科書

【たった2つの質問】で見抜く!新卒・中途採用者の本音を聞き出す面接質問集

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  • 「採用面接で応募者の本音を引き出す質問とは?」
  • 「必要な人材を見極められる人事になるには?」

という疑問を持っている方に向けて記事を書いています。

企業の存続に関わる人材登用は長年、採用面接によって行う企業が多く、面接官はたった数十分の面接で企業に必要な人材を見極めなければなりません。そのためには、できるだけ面接時と普段の思考・行動にギャップが生まれないように、応募者の本音を引き出す質問を投げかけ、企業繁栄に必要な人材であるかどうかを吟味する必要があります。

そこで今回の記事では、新卒・中途採用の面接で応募者の本音を引き出すためのノウハウや具体的な質問例をご紹介します。

この記事を最後まで読めば、『短い面接時間でも応募者の本音を引き出し、企業にとって有益な人材だけを見極められる』ようになり、人材採用の成功にとって重要なカギを握ることができます。

採用面接で本音を引き出す2つの質問とは?

ポイント

採用面接で応募者の本音を引き出す質問は以下の2つです。

  1. 緊張をほぐす当たり障りない質問
  2. 『なぜ?』を引き出す質問

上記の2つの質問がなぜ採用面接で重要となるのでしょうか?さっそく見ていきましょう。

①緊張をほぐす当たり障りない質問

応募者の本音を引き出すためには、まずはできるだけ普段通りの自分を出せるように不安や緊張をほぐしてあげる必要があり、実はこのステップがあるとないとでは採用面接の成功・失敗に大きく影響します。「緊張しなくて大丈夫ですよ」と一声かけてあげたり、面接前に当たり障りのない話をしたりすることで応募者の緊張が解け、面接官に対しての好感にも繋がります。

下記の記事では、応募者がリラックスできるような質問や空気づくりについてまとめました。気になる方はこちらの記事を参考に、応募者の本音を引き出すために重要な最初のステップに踏み出しましょう。

②『なぜ?』を引き出す質問

応募者の本音を引き出すために重要な2つ目のポイントは、応募者自身に「なぜ?」を問いかけさせることです。過去の経験を問う際には単なる結果を聞くのではなく、その過程の行動や心境に焦点を当て、なぜこんな行動をしたのか」「なぜ嬉しい/悲しい感情になったのか」など、当時の行動の中身を追求する質問をするようにしましょう。

「なぜ?」を引き出すための質問として、「具体的には?」という投げかけがありますが、ここで重要なのは、求めている答えを引き出すための例を提示してあげることです。

  • 応募者が学生時代にボランティア活動に注力していた場合

「どのような工夫をしてボランティア活動を行っていたのかを具体的にお話していただけますか?例えば、休憩時間も積極的に周囲とコミュニケーションをとるようにしていたとか、指摘されたことをノートにまとめて見直していた、など。

このように、応募者が円滑に話せるような具体的な返答例を挙げて応募者の本音を引き出しましょう。

反対に、なかなか応募者の本音を引き出すことができない悪い質問は

はい/いいえ質問です。

これは「はい」か「いいえ」の一言で答えられる質問のことで、クローズドクエスチョンとも言われています。はい/いいえ質問では応募者の「なぜ?」を問うことはできず、過去の行動や発言の理由を聞くためにもう一度質問する必要があるため、余分なラリーが増えてしまいます。

  • ○○のゼミナールに所属した理由は、友達や先輩から勧められたからですか?
  • 前職をお辞めになった理由は、人間関係のトラブルですか?

上記のように「はい」か「いいえ」の一言で返せてしまう質問ではなく、

  • ○○がテーマのゼミナールに所属していますが、なぜ多くのゼミナールからこのゼミナールを選んだのですか?
  • 前職を〇年でお辞めになっていますが、なぜ辞職することを決めたのか、理由を教えてください。

このように、「それは○○という経験から~と思ったからです。」と応募者が当時の自分自身の心情を正直に振り返り、返答できるような質問を投げかけることを心掛けましょう。

新卒・中途で違う!応募者の本音を聞き出すポイント

面接

面接で本音を引き出すためのポイントは、新卒採用と中途採用では異なります。そこでここからは、新卒と中途別にコツを詳しく紹介していきます。

新卒採用の場合は、『捻った質問』で本音を見抜く

新卒採用と中途採用を比較して最も異なることは、職務経歴の有無です。職歴の無い新卒採用では『人間性』と『人柄』を重視して面接を行う必要があります。つまり、新卒採用では、応募者の本性とも言える『人間性』と他人が見て感じる『人柄』の両方を見抜かなければならないということです。短い面接時間でこの2つの面を見るためにはどうしたらいいのでしょうか?

それは…

『捻った質問』で応募者の本音を引き出すこと。

どの就活本にも載っているような質問ではなく、少し捻った質問を投げかけることで、応募者の『テンプレートな回答』ではなく、人間性や人柄を感じられる『本音の回答』を聞き出すことができます。

 【具体例】捻った質問

  • あなたのセールスポイントは何ですか。
  • あなたが今まで一番◯◯した話を聞かせてください。
  • あなたが将来最もやりたくないことは何ですか。

上記の具体例を順番に説明していきます。

  • 『あなたのセールスポイントは何ですか。』

この質問は単に長所を聞いているのではありません。他人との違いや優れた特徴など、応募者が会社にどのように貢献できるのかを見極めるための質問です。

『セールスポイント』というキーワードを含めることで、応募者がどれほど自己理解・自社についての研究ができているのか会社にとってどんなメリットがあるのかを判断することができます。

 

  • 『あなたが今まで一番○○した話を聞かせてください。』

この質問のキーワードは、『一番』。この○○にどんな言葉を当てはめても、応募者は過去の様々な経験を全体的に振り返り結論を出す必要があるため、本音を聞き出しやすいといえます。

例えば…

今までで一番『喧嘩した話』では、応募者が普段、周囲とどのようにコミュニケーションを取っているのかを知ることができますし、今までで一番『苦労した話』であれば、これからぶつかる壁に対してどのように乗り越えるのかを見通すことができます。

 

  • 『あなたが将来最もやりたくないことは何ですか。』

新卒・中途ともに、採用活動で常に重要なのは会社と応募者のマッチングが成立しているかどうか』です。このマッチングを図るために、企業は面接という手段を講じ、会社が求めることと応募者が求めることを擦り合わせているのです。そこで採用面接では、応募者が企業に何を求め、何を実現したいのかを聞き出すために、よく「将来自社でやりたいことは何ですか。」という質問をする企業が多くあります。

しかし、実は応募者の本音を引き出しやすいのは「将来やりたいこと」ではなく、「将来最もやりたくないこと」という真逆の質問なのです。例えば「常に人と対面する仕事はしたくない」という回答であれば、営業職やサービス職の適正がないと冷静に判断することができます。「やりたくない」という一見マイナスな要素を含んでいるからこそ、本来応募者が言い出しにくい本音を聞き出すことができるのです。

中途採用の場合は、『過去の職務内容』で本音を見抜く

中途採用で企業が求めるのは『即戦力』であるため、主に職務経歴にまつわる質問によって面接を進めていきます。今までの職務内容や実績について細かく聞き出すことで応募者の持つスキルや人間性を知り、どのように会社に貢献できるのかを判断します。

職務経験についての質問には単なる実績だけでなく、その過程で起きた困難をどのように乗り越えたのかを聞き出すことがポイントです。

(例)『過去の職務での成功体験について、具体的なエピソードを交えて教えてください。

中途採用の面接では上記のような文言を加え、応募者自身が誇れる過去の成果や、どのような働きをしていたのかを素直に話せるような質問をすることを心掛けましょう。

見抜ける面接官に!本音を聞き出すおすすめ質問集

チェックリスト

ここからは、応募者の本音を聞き出すための具体的な質問を紹介していきます。

自己紹介

  • 短く1分程度で自己紹介をお願いします。

採用面接で本音を引き出せる面接官は、面接の冒頭からひと工夫しています。それは、時間を限定して自己紹介を振ることです。「それでは自己紹介をお願いします。」という単調な文言では、どの程度まで話すべきなのかという疑問が生まれ、応募者にさらなる緊張感を与えてしまいます。

30秒~1分という短い時間制限を設けることで応募者の緊張をほぐしタイムオーバーしても話し続ける場合は普段周囲の話を聞いていない可能性が高いため、応募者のコミュニケーション能力も図ることができます。

プライベート

  • 最近、プライベートで何か力を入れて取り組んでいることはありますか?

面接で本音を引き出すためには、応募者の緊張をほぐすことが必要不可欠です。自己紹介を終えても応募者の緊張がほぐれていないと感じた場合は、上記のようにプライベートの話を聞き出しましょう。応募者は気楽な話からリラックスすることができますし、面接官は応募者の人柄や普段の生活をイメージしやすくなるため一石二鳥です。

営業職のようにコミュニケーション能力が問われる職種の場合は、適正を確認するためにもプライベートの質問をすると良いでしょう。すらすらと楽しそうにプライベートの話をする応募者や、幅広い趣味を持ち、多くのことに興味関心のある応募者であれば、取引先やお客様との会話も弾み、良好な関係を築く可能性が高いと言えます。

過去の経験

  • あなたが今まで挑戦した経験を3つ選び、“具体的なエピソード”とそこから“学んだこと”を交えて説明して下さい。

応募者の本音を引き出すには具体的な過去の経験がカギとなり、新卒採用であれば「学生時代に挑戦したこと」を、中途採用であれば「過去の職務経験」を聞き出します。

過去の経験について聞く際には、上記のように『成功体験の数』『面接側が聞きたいこと』を提示して問いかけると良いでしょう。結果のみではなく、「具体的なエピソード」と「そこから学んだこと」を含んで複数の成功体験を聞き出すことで、応募者の働きぶりやこれからの伸びしろを見極める材料となります。

選考反映外の質問

選考反映外の質問は、面接中に気になった応募者に対してどうしても本音で確認しておきたいことを聞き出す場合に有効です。

この質問をする場合には…

『これから聞く質問内容は、一切選考には影響しませんので、正直にお答え下さい。』

と上記のような文言をはじめに添えてから質問するようにしましょう。

  • 当社への志望順位を教えてください。

志望順位は応募者の立場からすると非常に答えにくい質問であり、本音を聞き出すことは容易ではありませんが、特に最終面接では欠かせない質問です。

候補者がある程度決まり、最終的に人数を絞る段階になった際は、志望度をきちんと確認しておくために、選考反映外であることを提示してから志望順位を聞き出しましょう

  • 当社で働くにあたって、不安な点はありますか。

先ほどもお話しましたが、採用面接は会社と応募者のマッチング作業であるため、互いに求めているものだけでなく、正直に応募者が不安に感じている点を聞き出すことも重要です。しっかりと解消されていない不安要素は、選考が進むにつれてどんどん膨らみ、せっかく内定を出しても承諾時に迷ってしまう応募者は少なくありません。

会社にとって有益な候補者を採用できるように、選考反映外であることを提示してから問いかけ、できるだけ早い段階で応募者の感じている不安な点を一つずつ解消していきましょう。

【まとめ】面接で本音を聞き出すためには、2つの質問を組み合わせよう

以上が今回お伝えしたかった「面接で本音を聞き出す質問」についてでした。

面接で本音を引き出すには…

  • 応募者の緊張をほぐす『当たり障りない質問』と、本音が聞き出しやすい『応募者自身に「なぜ?」を問わせる質問』を組み合わせる
  • 新卒採用の場合は『捻った質問』で本音の回答を引き出し、人柄と人間性を見抜く
  • 中途採用の場合は『過去の職務内容』で、スキルの確認や会社にどのような貢献をしてくれるのかを見極める

入社後のミスマッチを防ぐためにも、上記のポイントをおさえて応募者の本音を引き出す面接を行い、会社にとって有益な人材のみをしっかりと見極めましょう。

 

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